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要約
今回公表された「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(案)」で学校現場に最も影響が大きいのは、「調整授業時数制度」の創設と高等学校単位制の大幅柔軟化、そして情報・技術科など新教科創設に伴う授業時数の再配分が同時並行で進む点である。これらは年間指導計画の組み方、教員の持ちコマ、免許配置、評価方法にまで連鎖的に波及し、しかも令和10年度からの先行実施が既定路線として示されている。
調整授業時数制度は、国への申請なしに各学校の判断で標準授業時数を減らし、別教科への上乗せや新教科、裁量的な時間(学習枠・研究研修等枠)に充てられる仕組みである。生み出せる時数の上限は小中学校共通で15%程度(小学校138コマ、中学校128コマ)、研究・研修等枠は週1コマ・最大35コマ程度を想定し、裁量的な時間全体では週2コマ・最大70コマを上限とする方向性が示された。全面実施は小学校が令和12年度、中学校が令和13年度を想定しつつ、令和10年度からの先行実施期間での活用も可能とする。すでに9都道府県68校の先行研究開発学校に加え、サキドリ研究校332校(合計400校)が実践しており、令和9年度にはさらに大幅な追加募集が計画されている。
高等学校では、1単位の計算方法を現行の35コマから17コマへ細分化し、卒業に必要な単位数を74単位から148単位(新単位)に再定義する。必履修科目の減単(標準4新単位中1新単位まで、8新単位中3新単位まで)、外部試験(CEFR B2相当、数学I相当より上位の級)を活用した履修免除・振替、学校設定科目の単位数上限引き上げ(普通科で卒業単位の4割・56新単位)など、カリキュラム編成の自由度を大きく高める改革が示された。高校版サキドリ研究校は令和10年度指定、令和11~12年度の先行実施が想定されている。
情報活用能力の抜本的向上に向けては、小学校の総合的な学習の時間に「情報の領域」を付加し、中学校に「情報・技術科」を新設、高等学校の情報科を充実させる。新教科創設の財源は標準総授業時数を増やさず、35コマ以下を除く各教科の時数を一律3~4%程度減じて確保する方針である。先行実施は小学校が令和10年度、中学校が令和11年度からとされている。
学習評価では、「学びに向かう力、人間性等」について、独立した評価材料を集めるのではなく「思考・判断・表現」の過程で表出した際に「○」を付記し、観点別評価・評定に一体的に勘案する新方式が示された。各教科等ごとに国が「見取る姿」を示し、令和10年度末までに学校・教育委員会に周知する予定である。あわせて、不登校児童生徒(令和6年度に約35万人で過去最多)や特定分野に特異な才能のある児童生徒を対象に、標準授業時数を下回る計画も可能な「特別の教育課程」を新設する方針も盛り込まれた。
条件整備としては、デジタル学習指導要領の開発(令和9年度要求10億円)、教職課程の抜本的アップデート(学級経営・デジタル学習基盤・特別支援教育の必修化など)、令和10年度までの新たな教職員定数改善計画の策定などが並行して進められる。
現場視点の一般的な懸念
- 調整授業時数制度では最大15%(小学校138コマ・中学校128コマ)の時数を各学校の判断で再配分できるが、不適切運用の是正は都道府県・市町村教委の指導助言に委ねられており、学校間で活用の質に大きな差が生じる懸念がある。
- 中学校情報・技術科や高校情報科の新設を令和11年度から先行実施する一方、令和7年度時点で中学校技術担当教員の免許外教科担任は1,863人・臨時免許状は543人、高校情報も免許外97人と深刻な人材不足が続いており、オンライン免許法認定講習(令和8年度受講予定656名)だけで全国的な指導体制が間に合うか不透明である。
- 「学びに向かう力」の評価で『思考・判断・表現』に『○』を付記し評定に一体的に勘案する新方式は、評定の最終決定を『所管の教育委員会の方針及び指導を司る教師の専門的・総合的判断』に委ねており、自治体間・学校間で評定基準にばらつきが生じ、高校入試等での公平性への懸念が残る。
- 不登校児童生徒(約35万人)向けの特別の教育課程では、免許状を有しない指導員等が校内外教育支援センターで指導にあたることが想定されており、『教員が中核的役割を担いつつ関係機関全体で教員の役割を果たす』との整理にとどまり、学級担任・指導員間の責任分担が曖昧なまま現場に運用が委ねられる懸念がある。
- 高校の単位制柔軟化(1単位を35コマから17コマへ細分化、卒業単位を74から148単位に再定義、学校設定科目を普通科で56新単位まで拡大)は自由度を高める一方、教務担当者が担うカリキュラム編成・外部試験の要件確認・大学入試との整合性確保の実務負担が急増する懸念がある。
現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案
- 都道府県教育委員会は、調整授業時数制度の活用状況を定期的に把握し、国が推進する『教育課程柔軟化アドバイザー(仮称)』の配置を先行実施期間(令和10年度)から前倒しで整備すべきである。
- 国は中学校技術科・高校情報科の免許法認定講習の受講枠を現行規模から大幅に拡大し、都道府県教育委員会は複数校指導・遠隔授業等の実証を令和9年度中に確実に実施した上で、先行実施前に人材確保の達成状況を公表すべきである。
- 文部科学省は『見取る姿』の運用解釈集や評定判断の具体的事例を令和10年度末の周知期限を待たず早期に教育委員会へ示し、都道府県教育委員会は域内で評価基準をすり合わせる研修を実施すべきである。
- 国は『運用の手引き』において免許を持たない指導員が担当する場合の学級担任・教科担任との責任分担を明文化し、市町村教育委員会は校内外教育支援センターの人員配置基準と指導体制を具体的に定めるべきである。
- 各学校はカリキュラム・マネジメント担当者を明確に位置付け、都道府県教育委員会は高校版サキドリ研究校の実践事例を早期に横展開し、教務負担を軽減する標準モデルを示すべきである。
※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。
中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会(第136回)配付資料を掲載しました
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