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要約
今回の資料で学校現場にとって最も影響が大きい論点は、「教科書」と「教材」の線引きが初めて具体的な形で示されたことと、それに伴う動画総量・訂正反映時期・フルデジタル教科書の学年限定という3つの運用ルールが同時並行で検討段階にあることだ。使用義務のかかる「教科書」の範囲が狭く再定義される一方、具体的な数値基準の多くはまだ「どうか」という提案段階にとどまっており、現場が準備すべき内容が確定していない状態で令和12年度の新教科書導入に向けたスケジュールだけが進んでいる点に注意が必要である。
会議は令和8年9月2日にWeb会議方式で開催され、椿会長のもと委員17名が出席した。事務局からは、6月に成立した関係法律を受けて、発行・採択に関する大臣指針検討会議、検定審議会(本会議)、標準仕様に関する会議体など複数の会議が並行して進んでおり、大臣指針は秋口、検定の考え方は今年度末を見据えて合流させる方針が説明された。
検定の中身では、デジタルコンテンツを教科書に載せる条件として、学習指導要領に基づく「教科の本質的理解」「活用目的・方法の明確さ」「限られた授業時数内での活用」という3観点が示された。具体例として、算数・数学の図形シミュレーション、理科の実験手順動画、外国語の発音練習音声などは掲載可とされる一方、全編音読データ、入試・資格試験問題、図鑑データそのもの、娯楽性の高いゲーム・漫画、教師に代わる講義動画は掲載不可の例として挙げられた。AIについては「搭載の必要性」「性能・信頼性」「正確性の担保方法」「検定の意義との関係」「審査体制」の5点を当面整理すべき課題とし、生成AIを含め教科書本体への搭載は当面見送る方向性が示されている。
運用面では、外部Webサイトや教科書外教材へのリンクを教科書としては認めない方針、動画は種目ごとに総量上限を段階的に設定する方針(実技系・理科・外国語・その他で区分)、外国語音声は申請時に「音声に関する方針」の提出を求め方針からの逸脱の有無で判断する方針が示された。訂正については、誤記・誤植など軽微なものは文科省承認後随時反映する一方、統計更新など学習内容に影響する訂正は「長期休暇中など学習上支障のない時期」に限定して反映するとされた。また、デジタル部分にもページ番号を振り、紙とデジタルの対応関係を相互表示することが要件として検討されている。
各教科部会・校長会からの意見も多数紹介された。小学校校長会は動画を「1単位時間45分に収まる量」「1本30秒〜1分、長くても5分以内」とする具体的な数値を提示し、中学校長会・高校長会・特別支援学校校長会からも、教育的必然性に基づく精選や、発行者による継続提供責任、アクセシビリティ対応、採択時の現場負担軽減などの要望が出された。
資料4では大臣指針検討会議(4月発足、これまで5回開催)の状況が報告され、採択権者(教育委員会・私立学校)への意向調査結果として、全学校種・全教科で「紙とデジタルのハイブリッド」を望む回答が圧倒的多数であったこと、小学校低・中学年では「ほぼ紙」または「紙が多い」が過半数を超えたこと、小学校高学年以降では英語・実技系教科で「デジタルが半分以上」を望む回答が過半数を超える教科もあったことが示された。これを踏まえ、令和12年度の新教科書導入に向け、フルデジタル教科書は対象学年を一定学年以上に限定する方向性が議論されている段階である。障害によりディスレクシア等で紙の教科書を読むことが困難な児童生徒については、教科書バリアフリー法に基づく教科用特定図書のカテゴリーで別途フルデジタル版を確保する方向性も示された。
現場視点の一般的な懸念
- 動画総量の上限は「種目ごとに段階的に設定」という方針のみが示され、小学校校長会が要望した「1単位時間45分以内」「1本30秒〜1分、長くても5分以内」のような具体的数値が確定しておらず、発行者・採択現場がどの基準で教科書を評価すればよいか見通せない
- 統計資料更新など学習内容に影響する訂正は「長期休暇中等、学習上支障のない時期」に限定して反映するとされているが、年度途中に発覚した重大な事実誤認(出村委員が懸念した報道・史実関連の誤りなど)への緊急対応ルートが明示されておらず、誤った情報のまま授業が進む期間が生じ得る
- 外部Webサイトやニュース報道・生成AIを教科書コンテンツから一律除外する方針により、社会科(地歴・公民)など時事性の高い教科で「教科書」と「教材」の区分を学校・教員が新たに判断する負担が生じる。出村委員は検定で主観的判断が困難になる点を、山家委員は申請者・検定側双方の戸惑いを指摘している
- 大臣指針検討会議では「フルにデジタルな教科書は対象学年を一定学年以上に限定する方向性」とされるのみで具体的な学年基準が未確定であり、令和12年度の新教科書導入を前提に教育委員会が採択・研修準備を進めるには情報が不足している
- 外国語音声の検定について、委員から「委員全員が音声学の専門ではない」「英語音声を検定対象とすることは非常に難しい」との意見が出ており、方針提出・逸脱判断という新基準を審査できる体制(専門委員の確保)がまだ整っていない
現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案
- 文部科学省は、校長会アンケートで示された具体的数値(45分授業内、1本30秒〜5分等)を参考に、種目別の動画総量上限を次回会議までに数値で明示し、発行者が申請段階で判断できる基準を早期に固めるべきである
- 文部科学省は「軽微な誤記」と「学習内容に影響する訂正」の線引き基準を明文化するとともに、重大な事実誤認については長期休暇を待たずに緊急反映できる例外ルールを設け、教育委員会・学校に周知すべきである
- 文部科学省と発行者は、教科書と教材の区分を明示したガイドライン(一覧表形式)を作成し、採択資料としても活用できる形で教育委員会・学校に提供することで、現場教員の判断負担を軽減すべきである
- 大臣指針検討会議は、フルデジタル教科書を認める学年の基準案を秋の取りまとめを待たずに早期に教育委員会へ示し、令和12年度導入に向けた採択・研修準備の期間を確保できるようにすべきである
- 教科用図書検定調査審議会は、外国語音声やデジタルコンテンツの審査に対応できる専門委員(音声学・ICT分野)を速やかに追加委嘱し、方針逸脱の判断基準を具体的な審査マニュアルとして整備すべきである
※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。
令和8年度教科用図書検定調査審議会総括部会(第2回) 議事録
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/tosho/016-5/gijiroku/1417316_00001.htm


