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要約
今回の第6回会議資料で学校現場にとって最大のインパクトを持つのは、令和12(2030)年度からの「デジタルな形態を含む教科書」導入スケジュールが固まり、小学校高学年以上の音楽・図画工作・技術分野・情報などの一部教科で「全てがデジタルの教科書」が制度上容認される方向性が素案として示されたことだ。ハイブリッド型を基本としつつも、学校種・教科ごとにデジタルの比重が変わる設計は、採択実務、教員研修、ネットワーク整備という三つの現場インフラが同時並行で間に合うかという切実な問題を突きつけている。
概算要求の面では、「デジタルな形態を含む教科書」の導入に向けた環境整備として令和9年度に25億円(前年度17億円)が要求されており、学習者用デジタル教科書購入費1,610百万円、標準仕様書に基づく配信調査事業596百万円(新規)、教科書ビューアアカウント一括登録システム構築83百万円(新規)などが並ぶ。対象は小学校等5・6年生、中学校等1〜3年生から段階的に導入される見通しだ。AI利活用のクラウド環境整備には781億円という桁違いの要求額も計上されており、次世代校務DXを含めた基盤整備が同時進行する。
指針素案(資料4)では、全国の採択権者への意向調査で「ハイブリッドな形態の教科書」を望む回答が全学校段階で約8〜9割に達したことを踏まえ、令和12年度以降は全学年・教科でハイブリッド型を中心とすることが明記された。ただし、認知機能が発達途上にある小学校低学年・中学年では「全てがデジタルの教科書」を認めず、小学校高学年以上の外国語・音楽・図画工作、中学校の音楽・美術・技術分野、高校の芸術(書道除く)・情報・専門学科など一部教科に限ってフルデジタルを認め得るとした。
教科用図書検定調査審議会の第一次論点整理(資料3)では、検定基準の具体化も進んでいる。教科書に搭載する動画は1本あたり3分程度を上限とし、教科書1点あたりの総量上限も検討する。外部サイトへのリンクは認めず、教科書発行者が編修・管理できる範囲のコンテンツに限定する。デジタルコンテンツ資料の提出期限は申請から5週間程度、検定意見付与後の修正ファイル提出は6〜7週間程度の猶予を設ける案も示された。検定審査料についても、ページ単価は維持しつつ、デジタルコンテンツ数に応じた加算の仕組みを新設する方向だ。
一方で現場の基盤整備には課題が残る。学校の「必要なネットワーク速度」確保率は令和7年12月時点で約64%にとどまり、令和10年度までに約95%の学校設置者での確保を見込むとされるが、裏を返せば導入開始の令和12年度直前まで一定割合の学校で未達となるリスクがある。中学校技術科では担当教員9,649人のうち普通免許状所有者は7,243人(約75%)にとどまり、免許外教科担任1,863人、臨時免許状543人という構造的な人材不足も明らかになった。現行デジタル教科書の研修受講経験がある教員はわずか24.3%という数字も示され、指導力の土台づくりが追いついていない実態が浮かぶ。
全国連合小学校長会や全日本中学校長会の意見書(参考資料7・8)は、小学校4年生以下でのフルデジタル教科書使用回避や、中学校の国語・社会・道徳・数学でのフルデジタル化に慎重な検討を求めており、文科省の素案と現場団体の間には温度差がにじんでいる。
現場視点の一般的な懸念
- 学校のネットワーク「必要な速度」確保率が令和7年12月時点で約64%にとどまり、令和10年度までに約95%という見込みも裏を返せば一部の学校設置者が導入直前まで未達のままとなりうる。全校一斉使用を前提とするデジタル教科書を令和12年度に一斉導入した際、通信環境が整わない学校の授業が止まるおそれがある
- 中学校技術科の担当教員9,649人のうち普通免許状所有者は7,243人(約75%)にとどまり、免許外教科担任1,863人・臨時免許状543人が存在する中で、情報・技術科(仮称)の新設やデジタル教科書対応指導力の要求が重なり、技術科担当教員の負担がさらに増す懸念がある
- 二次元コード数が前回検定比3.5倍に増加し、都道府県教委の約8割・市町村教委の約6割がすでに調査研究の考慮対象としている中、デジタルコンテンツも採択調査の対象になることで、採択権者・教育委員会の調査研究業務量が一段と膨らむ可能性がある
- 指針素案は小学校高学年の音楽・図画工作や中学校の音楽・美術・技術分野等でフルデジタル教科書を容認する方向だが、全国連合小学校長会は小学校4年生以下でのフルデジタル使用回避を、全日本中学校長会は国語・社会・道徳・数学での慎重検討を求めており、現場団体の意見と素案の方向性にギャップがある
- 現行デジタル教科書の研修を受けたことがある教師はわずか24.3%にとどまる一方、制度改正後は動画・音声を含むデジタル部分も使用義務のある教科書の一部となり、すべての教師にデジタル活用を前提とした指導力が求められることになる
現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案
- 国・学校設置者は「学校のネットワーク改善ガイドブック」やアセスメント補助事業を活用し、令和12年度の導入開始に向けて未達の学校設置者の進捗を自治体別に可視化・公表して整備の遅れを早期に是正すべきである
- 国は中学校技術科の免許取得支援(オンライン大規模講習、特別免許状授与促進)を加速させ、教育委員会は遠隔教育特例制度(活用経験4.8%)や複数校指導の活用実態を踏まえた具体的な支援策を講じるべきである
- 文部科学省は教科書発行者によるデジタル機能・コンテンツの一覧化情報提供の仕組みを指針上で標準化し、教育委員会間の共同調査研究や採択スケジュールの見直しを具体的な運用ルールとして制度化すべきである
- 国は指針の最終確定前に、全国連合小学校長会・全日本中学校長会の意見書(4年生以下のフルデジタル回避、国語・社会・道徳・数学での慎重検討)を踏まえ、フルデジタル容認教科・学年の線引きについてパブリックコメント等で現場の声を再度反映させるべきである
- 教育委員会・大学は教職課程および現職研修においてデジタル教科書活用研修を必修化し、使用頻度向上効果が確認されている模擬授業など体験型研修を優先的に拡充して受講率24.3%の底上げを図るべきである
※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。
デジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議(第6回) 配布資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/mext_02468.html


