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要約
今回の第10回会議で最も学校現場への影響が大きいのは、小学校の「情報の領域(仮称)」と中学校「情報・技術科(仮称)」の学習活動イメージが学年別に精緻化されたことで、担任制でない小学校の全教員がどこまで指導を担うのか、また新教科を立ち上げる中学校現場の負担感が、これまで以上に具体的な形で浮かび上がった点である。資料は抽象論から一歩進み、第3学年から第6学年までの「情報ブロック」と「ミニ探究ユニット」の組み合わせ方、第1学年の「情報の表現とデジタル化」「材料加工とデジタル制作」といった単元例まで踏み込んだため、良くも悪くも現場が直面する具体像が見えてきた回と言える。
令和8年6月8日に開催された本会議では、小学校総合的な学習の時間に新設される「情報の領域(仮称)」について、探究の領域と情報の領域の2領域構成とし、情報の領域はミニ探究ユニット(探究プロセスの中で情報活用能力を学び実際の課題解決に活用する小単元)と情報ブロック(適切な取り扱い・特性の理解を学ぶ基礎的なまとまり)を教員が組み合わせて指導計画を立てる構造であることが改めて示された。各学年に概ね2つ程度のミニ探究ユニットを配置する仮定で資料が作成されており、第3学年のみタイピングとクラウドの使い方を独立して学習する設計となっている。なお、国語ワーキングの第8回会議で小学校2年生のローマ字入力体験(文字を書く学習の一環)について多数の委員から慎重な意見が出たため、国語科には盛り込まず、情報の領域の第3学年でしっかり学習する方向で調整されたことも報告された。
中学校「情報・技術科(仮称)」については、第1学年で情報技術領域「情報の表現とデジタル化」、生産技術領域「材料加工とデジタル制作」を学ぶものとして設計され、第2学年では「生物育成とデータ活用」「エネルギー変換とスマート化」、そして新設の内容項目「技術の統合」が3年間の集大成として位置づけられた。生産技術領域では3D CAD等を用いた構想・設計段階と、実際に手を動かす制作段階を組み合わせ、「ものづくりの手応えを失わない」ことが強調されている一方、総則・評価特別部会ではものづくり学習が減るのではないかという懸念が既に示されていることも報告された。
高校情報科については今回大きな更新はなく、小中の検討進捗に合わせて系統性を確認する段階にとどまる。条件整備としては、教材開発・実証や技術科の免許法認定講習等の支援が本年度から予算事業として既に動いており、教員の指導力向上研修やPC教室の在り方について現行のICT環境整備3か年計画期間中に整理する方針、さらに3Dプリンター等の自治体別整備状況の可視化を進める方針が示された。
もう一つの議題である「内容の精選の考え方」では、現在の教科書が学習に必要な情報の大半や多数の用語・キーワードを網羅し、「教科書を教える」実態になっているとの課題認識のもと、中核的な概念や高次の資質・能力の獲得に資する内容に重点化し「教科書で教える」方向へ転換する方針が示された。具体的には、生産技術領域における材料・加工の科学的原理・法則は理科との役割分担を踏まえ必要最小限にとどめること、CAD普及に伴い等角図・第三角法といった図法の手書き技能の扱いを見直すこと、高校情報科の一定内容(デジタル化やネットワークの仕組み、情報デザインの基本、データの分析方法等)を中学情報・技術科へ移行させ、高校では教科全体の学習内容の総量が現行を上回らないよう留意しつつAI・データサイエンスを新たに加えることが提案された。委員からは、中学のプログラミング指導に課題があると回答した都道府県が64%、高校情報科教員の59.8%が中学との接続が十分でないと回答している現状(前回調査)が改めて指摘され、内容の高度化が進むほど中高接続の仕組みづくりが急務であるとの意見が相次いだ。次回第6回ワーキンググループは6月25日13時から15時に予定され、いよいよ取りまとめ議論が始まる。
現場視点の一般的な懸念
- 小学校は教科担任制が一般的でないため、1人の教員が情報の領域(各学年2つ程度のミニ探究ユニットと複数の情報ブロック)を安心して指導できる体制が整うか不透明であり、情報分野を専門としない担任の負担増が懸念される
- 小学校2年生でのローマ字入力体験は国語ワーキング第8回で慎重論が出て見送られ、情報の領域第3学年に学習時期がずれ込んだことで、国語科と情報領域の連携が不十分なまま現場に実施設計が委ねられるリスクがある
- 鎌田委員が指摘した通り、現場ではパソコン教室の消失、iPadしかない環境、共有サーバー廃止によるウェブ・動画編集不可などの事例が既にあり、福田委員も「新しい情報Ⅰの学びは1人1台端末では実現不可能で高性能PC教室の整備が不可欠」と述べているが、環境整備はICT環境整備3か年計画期間中の「整理」段階にとどまり予算裏付けの時期が明確でない
- 中学校のプログラミング指導に課題があると回答した都道府県が64%、高校情報科教員の59.8%が中学との接続が不十分と回答している現状があり、情報・技術科新設と情報Ⅰの高度化が進むほど、この接続課題が未解決のまま負荷だけが増す懸念がある
- 大谷委員が指摘するように、中学校情報・技術科は新設教科であるため教科書紙面を大きく変えたいという教科書会社の意図があっても、現場の教科書選定の慣行上大胆な変更がしにくいジレンマがあり、「教科書を教えるから教科書で教える」への転換の趣旨が教育委員会・学校現場まで十分に浸透しない可能性がある
現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案
- 国・教育委員会は、情報の領域の指導力向上のため開発中の動画教材の整備を前倒しし、専科的人材やTT(チームティーチング)配置のモデル事業を自治体単位で先行実施する
- 国(国語ワーキングと情報・技術ワーキング)は、ローマ字入力の指導時期変更について国語科と情報領域の年間指導計画上の接続を明示したガイドラインを早期に示し、教育委員会はそれを各校の教育課程編成に反映させる
- 国はICT環境整備3か年計画の中でPC教室や高性能端末整備の具体的な整備基準と予算スケジュールを前倒しで明示し、教育委員会は自治体の整備状況の可視化データをもとに優先配分計画を策定する
- 教育委員会は同一中学校区単位で小中・中高の情報活用能力の学習履歴やプログラミング経験を共有する引き継ぎシートやプラットフォームを整備し、学校は年度初めの引き継ぎ会議にこれを活用する
- 国は学習指導要領解説で精選後に教えるべき内容を明確に示すとともに、教科書会社・教育委員会向けに精選の趣旨説明会を実施し、教科書選定担当者が「教科書で教える」構成を正しく評価できるようにする
※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。
中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会情報・技術ワーキンググループ(第10回)の議事録を掲載しました
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/118/gijiroku/mext_00019.html


