【現場視点】多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ)

【現場視点】多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ) アイキャッチ

要約

今回の「審議のまとめ」で学校現場に最も影響が大きいのは、教員免許制度そのものを「基礎的免許状」「標準的免許状」「より上級の免許状」の三段階に再編し、その中核に学位課程と教職課程を結びつける新設科目群「強み専門性(20単位程度)」を据えるという構造転換である。あわせて小学校の基礎的免許状で全教科(10教科)の学修を必修化する方針が示されており、教職課程の単位構成・カリキュラム編成、そして教育実習や学校体験活動の受け入れ方まで、養成・採用・研修の全段階に波及する内容になっている。制度設計はまだ「更に検討が必要」という留保つきの箇所が多いが、令和9年度から教員採用選考の第一次選考共同実施とコアカリキュラム・CBTとの連動が始まる点など、現場の準備期間が限られたまま動き出す事項も含まれており、編集部としてはここを最大の注目点と位置付けたい。

質の確保に関する柱としては、教職課程外で必要とされてきた「施行規則66条の6科目」(日本国憲法、体育、外国語コミュニケーション等)のうち、日本国憲法は「教育法規」に、データ活用・AIは「教育データ・AI」として教職課程に内在化する一方、外国語コミュニケーションと体育は教職課程に位置付けない整理とされた。介護等体験は特別支援学級・学校での実習を含む教育実習に統合される。また「特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解」は2単位に拡大され、「教育の方法及び技術」と「情報通信技術の活用」は一体化して「教育の方法・技術及びデジタル学習基盤」に再編される。教育実習については、大学・実習校・学生の負担軽減を目的に、学校体験活動の努力義務化(将来的な必修化も検討)、1校当たりの受け入れ学生数の上限設定、書類の電子化・様式標準化などを盛り込んだガイドラインを別途の検討会で策定する方針が示された。

量の確保に関しては、特別免許状の授与要件の明確化(国による授与基準・目安の提示、教員資格認定試験の一部代替、大学院プログラムの認定など)、大学院新教育課程を通じた免許状授与(履修証明プログラムとして大学と教育委員会が協議し、選考も同時実施)、教職特別課程や通信制課程の活用拡大など、社会人が教職に参入するルートの多様化が具体的に列挙されている。次期学習指導要領を見据え、小学校では算数・理科等の専科免許状新設も検討され、ジェネラリスト(全科)とスペシャリスト(専科)がチームで指導に当たる方向性が打ち出された。中学校で新設が想定される「情報・技術科」への対応としては、既存の技術・家庭科免許の拡充、情報分野限定の新免許創設、教員資格認定試験の活用など複数の選択肢が並列で示されており、どれを採るかは今後の検討課題として残っている。

研修面では、教職大学院の共通5領域の修得単位数を現在の20単位程度から10単位程度に縮減する方針、基礎的免許状から標準的免許状への上進に必要な勤務年数を5年以上から3年以上に短縮し中堅研のタイミングで10単位取得により上進可能とする方針、専修免許状の在職年数に応じた単位逓減措置(最大10年以上の在職で7単位まで減)などが示された。コアカリキュラムの見直しとCBT問題の作成・全国教員研修プラットフォーム(Plant)への搭載、そして令和9年度から共同実施される教員採用試験第一次選考との連動も明記されている。国と地方の役割分担については、特別免許状の授与権限を都道府県から指定都市へ拡大すること、免許管理事務を国へ移管することの可否など、制度の土台に関わる論点が「今後更に検討」として残されている。

現場視点の一般的な懸念

  • 小学校の基礎的免許状で全教科(10教科)の学修が必修化される一方、施行規則66条の6科目の教職課程への内在化や強み専門性20単位の新設も同時に進むため、教職課程全体の単位数が実質的に膨張し、非常勤講師への依存度が高い地方私大では開講科目・担当教員の確保が追いつかない可能性がある
  • 令和9年度から共同実施される教員採用選考第一次選考にコアカリキュラム・CBT問題を連動させる方針が示されているが、審議のまとめは令和8年9月の公表であり、大学が授業設計・反転学修の導入・学生への周知を行う準備期間が実質1年程度しかない
  • 教育実習について1校当たりの受け入れ学生数の上限設定や学校体験活動の努力義務化(将来の必修化も検討)が示されているが、具体的なガイドラインは別途設置する検討会に委ねられており、実習校となる小中高の現場が令和8年度中にどこまで負担軽減を実感できるか見通せない
  • 特別免許状の授与要件緩和や大学院新教育課程による社会人入職拡大が進む一方、特別免許状入職者への加配措置は「可否等について更に検討」との記載にとどまり、学校側がメンタリングや校内サポート体制を整えないまま多様な背景の人材を受け入れることになりかねない
  • 免許管理事務を都道府県から国へ移管することの可否や、特別免許状の授与権限を指定都市へ拡大することの可否が検討課題として残されており、現行の都道府県教育委員会の予算・人員体制がどう再編されるか不透明なまま、教育委員会レベルでの準備が進めにくい

現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案

  • 国(文部科学省)は、小学校全教科必修化や強み専門性20単位の新設に伴う教職課程全体の単位数増減について、施行規則66条の6科目の内在化によるスクラップ分と合わせた具体的な単位数モデルを早期に示し、地方私大が開講計画を立てられるようにすべきである
  • 国は、令和9年度の教員採用選考第一次選考とコアカリキュラム・CBTの連動について、移行期の経過措置(旧カリキュラム履修者の扱いなど)を令和8年度内に大学・都道府県教育委員会へ明示し、混乱を避けるべきである
  • 教育委員会と大学は、教育実習に関するガイドライン策定検討会の議論を注視し、受け入れ学生数の上限や書類電子化・標準化の運用ルールが固まり次第、実習校となる学校へ早期に周知し、令和9年度以降の実習受け入れ計画に反映させるべきである
  • 教育委員会は、特別免許状や大学院新教育課程による社会人入職者の受け入れに先立ち、加配措置の要否を国に働きかけつつ、校内メンター制度や研修体制を独自に整備し、受け入れ校の負担が現場任せにならないようにすべきである
  • 国は、免許事務の国・都道府県間の役割分担の見直しについて、現行体制で確保されている予算・人員の扱いを含めた移行シミュレーションを示し、都道府県教育委員会が体制整備の準備を早期に始められるようにすべきである

※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。

多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/002/houkoku/1360150_00011.htm

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