【現場視点】教育委員会月報 令和8年9月号

【現場視点】教育委員会月報 令和8年9月号 アイキャッチ

要約

令和8年9月号で現場が最も注視すべきは、特集1「ICTを活用した遠隔教育に関する取組」で解説された中学校段階の「教科・科目充実型」遠隔授業特例制度の運用変化である。令和元年8月に始まったこの特例は、当初は文部科学大臣が個別に基準適合を認める仕組みだったが、令和6年3月の制度改正により大臣指定が不要となり、都道府県教育委員会の「適切な関与」の下で実施可否が判断される方式に変わった。免許外教科担任の解消や教員不足への対応という狙いは理解できるが、受信側教室には引き続き当該教科の免許を持たない教師の配置が求められ、同時受信人数は原則40人以下という基準はあるものの、実際の運用の質は都道府県ごとの体制整備状況に委ねられることになる。国の関与が薄まった分、地域間で遠隔授業の質と負担配分に差が生じる可能性がある。

地方の取組み紹介では、北海道岩見沢市が学習塾(進学会・北大学力増進会)と連携したオンデマンド動画配信事業を平成28年度から継続し、令和7年度の登録者は752人で市内中学生の44.3%、うち37人が不登校や登校支援室利用生徒という実績を示した。英語教育実施状況調査ではCEFR A1相当以上の割合が63.9%となり、第4期教育振興基本計画が掲げる「中学生の6割以上」目標を達成している。一方、茨城県は令和8年度から県教育研修センター内に「いばらきオンラインベース」を設置し、小5〜中3を対象に算数・数学、理科、英語、技術・家庭(技術分野)の4教科でライブ配信を開始、既存の「いばらきオンラインスタディplus」は動画約530本・視聴回数13万回超という蓄積を持つ。高校では水戸桜ノ牧高校常北校からの「情報Ⅰ」遠隔配信を令和7年度の2校から令和8年度は3校増の計5校へ拡大し、鬼怒商業高校と結城第一高校では「学校連携型キャンパス制」による合同遠隔授業も始まった。

学校給食・食育の特集では、大阪府茨木市が令和7年1月から中学校全員給食を開始し、給食費を無償化した経緯が詳しく紹介されている。給食センターはPFI(BTO)方式で整備され、事業期間は令和4年12月から令和21年7月まで、契約金額は116億8586万5934円、最大9,000食/日を市立中学校全14校に提供する規模である。給食を完全停止し弁当を持参する生徒には1食あたり360円(令和8年10月現在)×持参回数で補助金を支給し公平性を担保しているが、物価高騰が食材料費や委託料に与える影響は「看過できない課題」と明記されている。島根県は高校生の朝食欠食率(高校2年女子で令和7年度14.4%、令和6年度は21.6%)の改善を目的に「みそ汁コンテスト」を令和6年度から実施し、応募校数は16校で横ばいながら応募人数は98人から114人に増加した。

調査統計では、令和8年度全国学力・学習状況調査の結果が7月16日・8月3日の2段階で公表され、9月30日には都道府県・指定都市別データの分析結果が公表予定である。特筆すべきは令和9年度から小中学校の全ての調査がCBT(Computer Based Testing)で実施されることで、学校での実施が困難な児童生徒は自宅・病院・教育支援センター等で後日受験できるようになる。また教員免許状の課程認定大学等数のデータでは、公立大学における小学校教職課程を有する大学の割合が64.3%(98校中63校が教職課程を有するが、小学校は5校のみ)にとどまるなど、大学種別・設置者別の教員養成体制の偏りも示された。

現場視点の一般的な懸念

  • 中学校段階の「教科・科目充実型」遠隔授業特例は令和6年3月の改正で文部科学大臣の指定が不要となり、都道府県教育委員会の「適切な関与」に判断が委ねられた結果、受信側に配置される教師(当該教科の免許状を要しない)の指導負担や質の担保が地域ごとにばらつくおそれがある。
  • 岩見沢市のオンデマンド学習支援は登録者752人(市内中学生の44.3%)と過去最多になったが、裏を返せば半数以上の生徒は登録しておらず、学習塾(進学会・北大学力増進会)への事業委託という枠組み自体、同水準の予算措置ができない自治体では再現困難であり、地域間の学習機会格差を助長しかねない。
  • 茨木市の中学校給食センターはPFI(BTO)方式で契約金額116億8586万5934円、令和21年7月までの長期契約という大規模投資だが、資料自身が「物価高騰は食材料費や給食業務の委託料に大きな影響を与えており、給食の質を維持する上で看過できない課題」と認めており、無償化を継続する財源の持続可能性が不透明である。
  • 令和9年度から小中学校の全国学力・学習状況調査が全面CBT化されるが、通信環境や端末台数が十分でない学校・自治体では実施自体に支障が出る可能性があり、令和8年度中の準備状況が明示されていない。
  • 教員免許状の課程認定大学等数を見ると、公立大学で小学校教職課程を有する大学は98校中5校(構成比では極めて低い水準)にとどまり、地方における教員養成基盤の脆弱さが将来の教員確保リスクにつながりかねない。

現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案

  • 国(文部科学省)は、大臣指定を不要とした遠隔教育特例制度について、都道府県教育委員会ごとの運用実態(受信側教師の負担軽減策、TA配置状況等)を継続的に把握し、最低限のガイドラインを再周知すべきである。
  • 教育委員会(特に岩見沢市のような学習塾連携モデルを検討する自治体)は、事業導入時に登録率が伸び悩む生徒層(経済的事情以外の理由で参加しない生徒等)への学習機会保障策を同時に設計し、事業効果を全生徒に及ぼす工夫を講じるべきである。
  • 大阪府・茨木市など給食無償化を実施する自治体は、物価スライドを反映した財源計画を複数年単位で議会・保護者に公表し、PFI契約における物価変動対応条項の運用状況を定期的に検証すべきである。
  • 学校及び教育委員会は、令和9年度の全国学力・学習状況調査全面CBT化に向けて、令和8年度中に端末・通信環境の総点検を行い、当日実施が困難な児童生徒への代替実施体制(自宅・病院等)を具体的に整備すべきである。
  • 国及び大学(特に公立大学)は、小学校教職課程を有する大学の少なさが示す地方の教員養成基盤の偏りを踏まえ、地域の教員需要に応じた課程新設・連携のあり方を検討すべきである。

※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。

教育委員会月報 令和8年9月号
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