【現場視点】OECD生徒の学習到達度調査(PISA) | 研究紹介・研究成果 | 国立教育政策研究所

【現場視点】OECD生徒の学習到達度調査(PISA) | 研究紹介・研究成果 | 国立教育政策研究所 アイキャッチ

要約

今回最も注目すべきは、2025年調査(PISA2025)で日本が科学コンピテンシー・読解力・数学的リテラシーの3分野すべてでOECD加盟国中1位という好成績を維持した一方、読解力の平均得点が前回から13点も有意に低下し、3分野すべてで「低得点層(習熟度レベル1以下)」の割合が有意に増加したという事実である。トップ層の高さだけを見て「日本の学力は世界トップレベルだから安心」と読むと、現場で実際に起きている二極化の進行を見落とすことになる。読解力では上位10%と下位10%の得点差が249点から272点へと拡大しており、下位層の底上げが待ったなしの課題として浮かび上がっている。

具体的な数値を見ると、読解力の低得点層は2022年の13.8%から2025年には18.6%へ、科学コンピテンシーは8.0%から11.3%へ、数学的リテラシーは12.0%から16.1%へと、いずれも有意に上昇した。読解力の内訳を見ると「評価し、熟考する」は正答率が上昇した一方、「読みの流ちょう性(速く正確に読む)」の正答率が有意に低下しており、これが平均得点低下の一因と分析されている。単に「読解力が下がった」ではなく、どの下位能力が下がったのかを踏まえた指導改善が必要な段階に来ている。

もう一つの重要な論点が、PISA2025から新設された革新分野「ラーニング・イン・デジタルワールド(LDW)」の結果である。日本はLDWの平均得点でもOECD加盟国中1位、習熟度レベル5以上が48.0%(OECD平均26.1%)と高い水準にあるが、学習への関与(Engagement)が高い生徒の割合はわずか15.8%にとどまり、「習熟度が高くかつ学習への関与も高い(Competent learners)」に該当する生徒は13.9%にすぎない。つまり「デジタル環境での問題解決は得意だが、自ら主体的に学びに向かう姿勢は弱い」という日本の生徒像が、この新指標によって初めて可視化されたことになる。

学校・生徒質問調査からは、日本の学校内外でのデジタル・リソース利用頻度がOECD加盟24か国中で上位(学校内5位、学校外2位)にある一方、教科の授業における実際の活用頻度は依然OECD平均より低く、2022年調査と比べて横ばいか低下している点が読み取れる。さらに「学校の勉強におけるAIの利用頻度」指標はOECD加盟38か国中38位、つまり最下位という結果も示された。1人1台端末の整備は進んだが、日常の教科指導の中でデジタル・AIを使いこなす段階にはまだ至っていないという構図が、GIGAスクール構想の実装フェーズの課題として改めて浮き彫りになった。

文部科学省は、次期学習指導要領に向けて「調整授業時数制度」の創設や情報活用能力の育成強化、生成AIガイドラインの改定、教育分野特化AIの実証研究などを施策として掲げているが、これらは中央教育審議会レベルの方向性であり、各学校・自治体が具体的にどう実装するかは今後の検討課題として残されている。

現場視点の一般的な懸念

  • 読解力の低得点層(習熟度レベル1以下)が2022年の13.8%から2025年に18.6%へ増加し、上位10%と下位10%の得点差も249点から272点に拡大しており、通常の授業進度についていけない生徒への個別対応が現場の恒常的な負担として増大する懸念がある
  • 「読みの流ちょう性」の正答率低下が読解力平均得点の低下要因とされているが、これは国語科だけでなく全教科の学習の土台に関わる能力であり、教科担任がどう指導すべきか明確な手立てが現時点で示されていない
  • 学校の勉強における「AIの利用頻度」指標がOECD加盟38か国中38位(最下位)という結果は、文部科学省が生成AIガイドラインの改定や実証研究を掲げる一方、多くの教員が日常の授業で生成AIを扱う準備・研修の機会を持てていない実態を示している
  • LDWで習熟度は高い(レベル5以上48.0%)にもかかわらず学習への関与が高い生徒はわずか15.8%にとどまり、「Competent learners」の割合が13.9%と低いことは、自己調整学習や学習意欲の指導が現行の教科指導だけでは不十分であることを示唆する
  • 教科別のデジタル・リソース利用頻度がOECD平均より低く、2022年調査と比較して横ばいまたは低下している点は、1人1台端末整備後も授業内での実質的な活用が進んでいない自治体・学校間格差が解消されていないことを示している

現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案

  • 国(文部科学省・国立教育政策研究所)は、「読みの流ちょう性」低下の要因分析結果を踏まえ、国語科に限らず全教科で活用できる速読・正確な読み取りの指導事例集を早期に整備し、学習指導要領解説に反映させるべきである
  • 教育委員会は、低得点層拡大というデータを踏まえ、地域未来塾等の学習支援活動の予算・人員配分を見直し、下位層への個別最適な学習支援を優先的に強化する必要がある
  • 学校・教育委員会は、AI利用頻度がOECD最下位という結果を重く受け止め、教育分野特化AIの実証研究の成果を待つだけでなく、まずは日常授業での生成AI活用に関する教員研修を自治体単位で計画的に実施すべきである
  • 学校は、LDWで明らかになった「学習への関与の低さ」に対応するため、総合的な探究の時間や各教科の中で目標設定・自己評価・助けの求め方といった学習の自己調整スキルを明示的に指導する時間を確保する必要がある
  • 国は、次期学習指導要領で検討される「調整授業時数制度」の運用にあたり、デジタル・リソースの実質的な活用頻度を高めるための研修時間を制度上組み込み、自治体間格差の解消をGIGA StuDX推進チーム等の伴走支援と連動させて進めるべきである

※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。

OECD生徒の学習到達度調査(PISA) | 研究紹介・研究成果 | 国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research
https://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/pisa/index.html

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