
要約
今回の第137回生涯学習分科会(第19回社会教育の在り方に関する特別部会との合同開催)で学校現場に最も影響が大きい論点は、社会教育士・社会教育主事の養成強化と裾野拡大の方針が、学校現場の多忙化や人材不足という現実とどう接続するかが依然として曖昧なままだという点である。コミュニティ・スクールが公立学校の64.9%に導入されている一方で管理職のマネジメント力が育っていない、地域連携担当教職員が忙しすぎて社会教育主事講習を受講できない、地域学校協働活動推進員の該当者が地方には見つからない、といった委員自身の発言が、報告案の理念と現場実態のギャップを浮き彫りにしている。
資料1-1「社会教育主事・社会教育士養成の在り方について」ワーキング・グループの取りまとめでは、社会教育主事と社会教育士を2階建てで分けず一体的に養成する方針が確定した。講習は現行の8単位を維持しつつ「社会教育講習」への名称変更を検討し、社会教育士であることを社会教育主事発令の前提とする。受講の裾野拡大策として、民生委員・保護司・地域運営組織(RMO)の活動経験など他分野の実務経験者を新たに受講資格に加えること、オンラインや土日・夜間開催などアクセス改善、社会教育主事講習の手前に位置づく「導入的講習」の充実が示された。
大学の養成課程については、社会教育実習を現行1単位から2単位に拡充し、教職実践演習に相当する「社会教育総合実践演習」を新設する一方、社会教育特講を8単位から4単位に縮減し、総単位数は現行より2単位少ない22単位程度とする見直しイメージが示された。教員養成課程の改正で教職に加えて身につける「強み・専門性」の一つに社会教育を位置づけ、両課程を組み合わせやすくするための単位精選も課題として挙げられている。
資料2「地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方について(審議経過報告案)」では、学校との関係について、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動を通じた学校・地域・家庭の連携、部活動の地域展開、地域学校協働活動推進員の配置促進が盛り込まれている。委員からは、地域連携担当教職員や地域学校協働活動推進員が社会教育士の称号取得につながるよう教育委員会が主体的に働きかける表現を求める声、教頭が地域連携担当を兼任している実態を踏まえた活躍ポジションの明確化を求める声が相次いだ。また2024年5月28日付の文科省・総務省共同通知「地域づくりに資する関連施策の一体的推進について」に触れ、RMOと公民館等の社会教育施設の連携強化、社会教育士の活躍の場の拡大が省庁横断で進められていることも紹介された。
審議経過報告案は本日の意見を踏まえてさらに修正され、清原分科会長・特別部会長が中央教育審議会総会に向けて責任を持って反映することが了承された。発令されていない自治体もある社会教育主事の配置促進や、社会教育委員(全国約1万8,000人)の機能強化なども論点に含まれており、教育委員会の実務対応が今後問われる。
現場視点の一般的な懸念
- 公立学校の64.9%にコミュニティ・スクールが導入されている一方、安齋委員の指摘通り校長のマネジメント力育成が追いつかず、地域連携担当教職員は学校現場の多忙化で社会教育講習(旧社会教育主事講習)を受講できない実態がある。
- 小見委員が指摘した通り、地方では地域学校協働活動推進員に「該当者がいない」という声が多く、教育委員会が配置を推進しようとしてもマッチングできない現実があり、報告案の配置促進方針が具体策を欠いている。
- 養成課程見直しで社会教育特講が8単位から4単位に縮減され総単位数22単位程度となる一方、教職課程との単位精選・組み合わせの具体的内容は「引き続き検討」とされており、地方私大が実際にどうカリキュラムを組めばよいか見通しが立たない。
- 金子委員が指摘した通り社会教育士取得の動機づけ・メリットが希薄で、小見委員によれば社会教育士講習を受けた若手教員が学校で活かせるポジションを見いだせず、結局教頭が地域連携担当を兼任している実態が変わっていない。
- 社会教育主事が未発令の自治体が存在する中、任命権者たる教育委員会に計画的養成と業務としての受講機会確保が求められているが、財政措置や具体的な運用ルールは示されておらず、自治体間格差が拡大する懸念がある。
現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案
- 教育委員会・学校は、地域連携担当教職員の校務分掌上の負担軽減とオンライン・土日開催の社会教育講習受講をセットで制度化し、多忙化を理由に受講を諦めさせない仕組みをつくるべきである。
- 教育委員会は、地域学校協働活動推進員の人材発掘・育成・マッチングを担う専任窓口を設置し、社会教育士称号取得者の名簿を作成して推進員候補と結びつける体制を早急に整えるべきである。
- 国は、社会教育特講4単位化後の教職課程との具体的な単位組み合わせモデルを提示し、地方私大でも履修可能な標準カリキュラム例を早期に示すべきである。
- 国・教育委員会は、社会教育士取得後に地域連携担当教職員やコミュニティ・スクール担当への正式配置を制度上保証するキャリアパスを明確化し、取得インセンティブを実質化すべきである。
- 国は、社会教育主事の計画的養成・発令を裏付ける財政措置と業務時間内受講を担保する通知を発出し、教育委員会が予算・人員面で対応できる環境を整えるべきである。
※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。
第137回生涯学習分科会の議事録を掲載致しました。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/siryou/1422152_00042.htm


