【現場視点】国立大学法人評価委員会(第82回) 配付資料

【現場視点】国立大学法人評価委員会(第82回) 配付資料 アイキャッチ

要約

今回の第82回会合の資料群は、国立大学の「経営改革」を軸にした分厚い内容だが、学校現場(初中教育側)に最も影響が大きいのは、附属学校の統廃合・規模見直しと、教員養成系学部の定員・教職課程の再編が、第5期中期目標期間(令和10〜15年度)に向けて具体的な制度動作として動き出す点である。運営費交付金や人事給与マネジメントの話は大学経営の内部事情に見えるが、附属学校の存廃・教員養成の縮小は、教育委員会の教員採用計画や地域の教員供給構造に直接跳ねてくる論点であり、ここを見落とすと「大学の話」で済ませてしまいがちな資料である。

資料1-2・1-3等に示された「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点(案)」では、附属学校について「設置される数、種類、規模等についての説明責任を果たし、先導的モデルの開発や多様な児童生徒の包摂に向けた指導モデルの開発等に率先して取り組む」ことが求められている。附属学校は実験校・モデル校としての役割の明確化が前提とされ、規模や数の整理が第5期中期目標・中期計画(令和10年4月〜令和16年3月の6年間)に組み込まれる可能性がある。あわせて、附属学校教員と公立学校との人事交流を継続するための支援として「教職調整額の増額分相当を考慮する」という記述があり、処遇面での調整が検討課題として挙がっている。

教員養成系学部については、令和8年5月の教職課程認定基準の改正により、令和10年度以降は大学間連携や大学等連携推進法人の制度を活用した教職課程の連携が行いやすくなる予定である。すでに鳴門教育大学など四国地域5国立大学が大学等連携推進法人の認定を受け、全国初の「連携教職課程」を開設し教員配置の最適化を進めている事例が参考事例集(資料9-3)に紹介されている。国は、地域の教員需要の推移に応じた入学定員の見直しと教職課程の共同実施による連携・集約を、法人化以降繰り返し方針として掲げてきた経緯があり、第5期でもこの方向性が継続される見通しである。

こうした大学側の再編は、令和9年度概算要求資料(参考資料7)にある「地域教員希望枠を活用した教員養成大学・学部の機能強化」(令和9年度要求・要望額5億円、34大学単独・8大学重点支援・1大学複数大学連携)とも連動する。背景には公立学校の教員採用倍率が令和7年度に過去最低となった事実があり、大学の教員養成機能の縮小・再編と、教育委員会が抱える採用難という現場課題が同時進行することになる。

なお、附属病院についても令和6年度決算で全体として285億円の赤字が見込まれており、大学病院機能のリバランス促進事業(令和9年度要求・要望額633億円、8年間)などの緊急支援が検討されている。附属病院の経営状況は法人全体の財務構造に影響するため、附属学校を含む教育投資の余力にも間接的に関わってくる点は留意が必要である。

現場視点の一般的な懸念

  • 「組織及び業務全般の見直しに関する視点(案)」で附属学校に『設置される数、種類、規模等についての説明責任』が求められており、統廃合・規模縮小が進めば在籍児童生徒・保護者や教育実習を行う学部生に直接影響が及ぶが、判断プロセスが不透明なまま進む懸念がある
  • 令和8年5月の教職課程認定基準改正により令和10年度以降、大学間連携・連携推進法人を通じた教職課程の集約が進みやすくなるが、公立学校教員採用倍率が令和7年度に過去最低となっている中で、地方の教員養成拠点が先に縮小すれば教育委員会の採用計画に供給面のしわ寄せが来る
  • 附属学校教員と公立学校との人事交流継続のため『教職調整額の増額分相当を考慮する』との検討が示されているが、これは処遇差を埋める調整に過ぎず、附属学校側の待遇が公立と実質的に見劣りする状況が続けば人事交流自体の持続性が損なわれる
  • 附属病院が令和6年度決算で285億円の赤字見込みとされ、法人全体の財務を圧迫する構造がある中、附属学校を含む教育投資へのリソース配分が病院経営の悪化によって後回しにされるおそれがある
  • 地域教員希望枠を活用した教員養成大学・学部の機能強化事業(令和9年度要求5億円)は大学単位の支援設計であり、実際に地域配置ニーズに合った教員を輩出できるかは教育委員会との連携体制次第だが、資料上は大学側の取組が中心で現場ニーズの反映経路が明示されていない

現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案

  • 国立大学法人と文部科学省は、附属学校の規模・数の見直しを検討する際、対象校の保護者・地域住民・所在自治体教育委員会への説明機会を中期計画策定前の早期段階で設け、判断根拠を公表すべきである
  • 教育委員会は、鳴門教育大学など四国5国立大学の『連携教職課程』の運用状況を注視し、教職課程の連携・集約が進む前に大学側と協議の場を持ち、地域の採用予定者数を確保できる教員養成体制を共同で検討すべきである
  • 各国立大学法人は、附属学校教員の処遇(教職調整額相当分の扱い)を第5期中期計画に具体的な水準・時期とともに明記し、公立学校との人事交流を安定的に継続できる制度を構築すべきである
  • 文部科学省は、附属病院の財務悪化が附属学校運営や教員養成投資に及ぼす影響を分離して可視化し、大学病院機能のリバランス促進事業等の医療支援と、教育資源確保のための予算枠を別建てで管理すべきである
  • 教育委員会・学校管理職は、地域教員希望枠を活用した機能強化事業など大学発の教員養成支援策について、企画段階から採用倍率低下や教科ごとの欠員状況といった現場データを大学に提供する窓口を設けるべきである

※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。

国立大学法人評価委員会(第82回)の資料を掲載しました
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/1411366_00009.html

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