松本文部科学大臣記者会見(令和8年5月12日)

部活動の遠征中における交通事故への対応:詳細報告

今回の会見において、松本文部科学大臣は新潟県で発生した高校テニス部のバス事故(生徒1名が死亡、多数が負傷)を受け、今後の校外活動における安全管理のあり方について踏み込んだ言及を行いました。

1. 文科省の現状のスタンスと今後の具体的指示

大臣は、これまでのガイドラインでも「危機管理マニュアルの作成」や「旅行代理店等との事前調整」を求めてきたことを強調しつつ、事案が相次いでいる現状を重く見て、以下の指示を出したことを明かしました。

  • 一体的な安全対策の検討指示 大臣は本日、関係局長を集め、部活動の移動中のみならず「学校外の活動全般」を対象とした一体的な安全管理対策を検討するよう指示しました。
  • 契約の適正化と事前確認の徹底 事業者へ移動を依頼する際は、契約内容を明確にすることに加え、旅客運送の安全確保(白バス行為の防止等を含む)をあらかじめ確認することが極めて重要であるとの認識を示しました。

2. 大臣発言の原文(抜粋)

会見での緊迫感と今後の方向性を象徴する発言です。

安全管理の強化について: 「安全管理に関して事案が、ま、立て続けに、え、生じていること、え、これも踏まえまして、ま、今後(中略)こうしたことが生じることがないように、え、安全管理につきましても一体的な対策を検討することについて私から、え、関係局長などに対して指示を行ってまいりたいと考えております。」

契約の実務について: 「事業者に移動手段の手配や確保を依頼する場合においては、え、契約内容を明確にした上で、え、事業者と適切な契約を行うとともに利用する旅客運送の安全確保について、まあらかじめ確認をするということが必要である」

3. 現場視点の一般的懸念

大臣の回答は、現場が直面している「理想と現実のギャップ」を浮き彫りにしています。

  • 「活動機会の維持」と「安全コスト」のジレンマ 公共交通機関が不十分な地域では、バスや自家用車に頼らざるを得ない実態があります。大臣も「両立を図らなければならない」と述べていますが、安全基準を厳格化(高額な正規バス会社の利用義務付け等)すれば、部活動の遠征自体を断念せざるを得ない学校が出てくるという懸念があります。
  • 顧問や保護者の負担と「白バス」リスク 記者の質問にもあった通り、現場では顧問や保護者の運転による移動が常態化しているケースがあります。これらをどこまで規制し、どこまで学校が責任を負うのかという「管理の限界」が大きな懸念点となっています。
  • 事務手続きの専門性 「契約内容を明確にする」「事前に安全を確認する」という作業は、本来教育の専門家である教職員にとって非常に負担が重く、専門知識が必要な領域であるため、実効性のあるサポート体制が求められています。

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