
要約
本法律案は、公立の中学校等の学級編制の標準及び教職員定数の標準を改めることで、公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化を図るものです。主な内容は以下の3点です。
①学級編制の標準引き下げ 中学校の学級編制の標準を現行の40人から35人に引き下げる。令和8年度から中学1年生、令和9年度に中学2年生、令和10年度に中学3年生と段階的に移行する計画が設けられている。
②教職員定数の見直し 養護教諭等の複数配置に係る算定基準について、小学校は851人から801人に、中学校は801人から751人にそれぞれ引き下げる。また、共同学校事務室を複数の学校に設置する市町村に係る事務職員の算定基準が新設される。
③施行期日 令和8年4月1日から施行する。
現場視点の一般的な懸念
1. 教員確保・採用の問題
35人学級の実現には新たな学級数・教員数が必要となりますが、背景として教師の勤務実態の深刻化が挙げられている中、人材確保が追いつくかどうかが懸念されます。特に地方や小規模自治体では即戦力教員の確保が困難になりやすい状況です。
2. 段階的移行期の混乱リスク
令和10年3月31日までの間は、生徒の数の推移等を考慮し、文部科学大臣が定める特別の事情がある中学校にあっては、40人とする経過措置が設けられているため、同一校内で学年によって学級規模が異なる期間が生じます。校内の時間割調整・教室配置・担任配置において現場の負担が増す可能性があります。
3. 教室・施設スペースの不足
学級数が増えることで、既存の校舎に必要な教室数が確保できない学校が出てくる可能性があります。施設整備の予算・工期が間に合わない場合、現場での対応が困難になります。
4. 共同学校事務室の運用負担
共同学校事務室を複数の学校に設置する市町村に係る事務職員の算定基準が新設される一方で、複数校にまたがる事務処理体制の構築・調整は現場の管理職や事務職員にとって新たな調整コストとなります。
5. 少子化との整合性への疑問
少子高齢化に伴う児童生徒の急速な減少が背景として挙げられている中、学級規模縮小による教員定数増加が、将来的な児童生徒減少と相まって過剰配置に転じるリスクや、財政的持続可能性への疑問が現場・地方自治体から生じやすい点も課題です。
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案
https://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/mext_03426.html

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