中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会 国語ワーキンググループ(第7回)資料 (令和8年4月6日開催)

要約

本資料は、学習指導要領改訂に向けた国語科の検討状況をまとめたものです。主な議題は二つです。

議題①「思考力、判断力、表現力等」の整理

話や文章を「事実や知識の整理と理解」「考えや主張の理由付けと吟味」「思いや経験の表出と想像」「協働による深化や合意」「伝統的な言語文化の継承と創造」の五つの機能(仮称)に再整理し、それをもとに〔思考力、判断力、表現力等〕の事項を構造的に示す方向性が提示されています。これにより、単元の学習で扱う話や文章の種類と、各学習過程で働かせる資質・能力の要素を一体的に示すことを目指しています。

議題②評価の在り方

現行の評価は総括的評価への偏重、教師の過重負担、「主体的に学習に取り組む態度」の形式的評価といった問題を抱えています。改善の方向性として、「学びに向かう力・人間性等」を教育課程全体を通じた個人内評価とした上で、思考・判断・表現の学習過程で「学びに向かう力の3要素(初発の思考・対話と協働・学びの主体的な調整)」が継続的に発揮された場合に「○」を付記するという新たな評価方式が提案されています。また、学習評価のプロセスを「文書作成」から「指導と評価の構想」へと転換し、形成的評価の充実を図ることも打ち出されています。

現場視点の一般的な懸念

①「話や文章の機能」の概念理解と授業設計の負担 五つの機能への再整理は理論的には整合的ですが、各機能に応じた単元設計を全教師が行うには相当な研修と準備時間が必要です。特に経験の浅い教師にとって、新しい構造を使いこなすまでの移行期の負担が懸念されます。

②「○」付記の運用の曖昧さ 「見取る姿(仮称)」に基づく「継続的な発揮」をもって○を付けるとされていますが、「継続的」の基準が教師によってばらつく可能性があります。評定への影響も一体的に勘案するとされており、客観性・公平性の確保が難しいと感じる教師は少なくないでしょう。

③形成的評価の充実と時間的余裕の矛盾 形成的評価の充実が求められる一方、授業時数や担当クラス数の現実から、個々の生徒へのきめ細かいフィードバックを行う時間的余裕が確保できるかという懸念があります。

④評価の記録・文書作業の実態 評価プロセスを「文書作成から構想へ」とシンプル化する方針は歓迎される一方、指導要録や成績処理など既存の行政的記録要件との整合性が現場ではまだ見えにくく、実務上の混乱が生じる可能性があります。

⑤改訂後の研修・サポート体制 「見取る姿(仮称)」の具体的な内容は学習指導要領改訂後に示すとされており、実施までの準備期間や教員研修の機会が十分に確保されるかどうか、現場としては不安を感じる部分です。

教育課程部会 国語ワーキンググループ(第7回) 配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/107/siryo/mext_00007.html

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