
要約
今回の資料で学校現場に最も影響が大きい論点は、部活動の地域展開の期限(令和13年度までに休日は原則全ての学校部活動で地域展開を実現)が第4期スポーツ基本計画にも明記され、達成期限がいよいよ現実味を帯びてきた点である。あわせて、体育専科教員の配置推進や学校体育施設の地域共同利用率を現行71.8%から100%に近づける目標、学校プールの屋内化推進など、学校の施設・人員配置に直接関わる論点が複数盛り込まれており、教育委員会・管理職は対応の具体化を迫られる局面に入ったといえる。
会議は令和8年7月7日に開催され、議題は「第4期スポーツ基本計画(中間報告案)について」。対象期間は令和9年度から令和13年度までの5年間で、令和7年6月の改正スポーツ基本法(14年ぶりの大幅改正)を踏まえ、ねらいを「スポーツの『楽しさ』で人や地域の可能性を引き出し、未来を切り拓く」とし、3つの重点課題(国民のスポーツ実施促進、ハイパフォーマンスの追求、地域・社会への貢献)を掲げている。
部活動の地域展開については、令和7年12月に「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」が策定され、令和5年度から実施している実証事業は339市区町村(令和5年度)から510市区町村(令和6年度)へと拡大した。一方で、地域連携・地域移行の方針策定のための協議会を実施した自治体は令和6年6月時点で63%、実際に方針を策定済みの自治体は29%にとどまっており、令和13年度という期限との間にギャップがある。令和7年度予算では実証事業拡充や部活動指導員配置支援等に計32億円が計上されている。
子供の体力・運動習慣に関する指標は、第3期計画期間を通じてほとんど改善が見られない。週の運動時間が60分未満の子供の割合は、令和8年度目標(児童12%・生徒13%)に対し令和6年度実績は児童12.6%・生徒15.8%、新体力テストの総合評価C以上の割合は目標(児童80%・生徒85%)に対し実績は児童67%・生徒75%と、いずれも未達である。「運動が好き」と答える児童生徒は男子で増加した一方、女子では改善が見られないという指摘もある。
学校体育施設に関しては、年間を通じ平日に地域で共同利用する学校の割合を71.8%(令和5年度実績)から100%に近づけることが目標とされ、気候変動対応として学校プールの屋内化、動線確保やスマートロック導入による出入口整備なども盛り込まれた。社会体育施設は2021年時点で全国に約4万6千施設あり、今後老朽化の進行が見込まれるなかでの目標設定である。
障害のある児童生徒への対応としては、体育授業見学の実態を把握する調査が実施され、現在分析結果を精査中とされている。また、障害のある者の週1日以上のスポーツ実施率は20歳以上の全体実施率より約20ポイント低く、地域差も最大約20ポイントあるとするデータが示され、パラスポーツ指導者の資質向上研修強化などが重点施策として挙げられている。
今後のスケジュールは、夏頃に中間報告案が決定されパブリックコメントが実施され、秋頃に答申・大臣決定・官報告示を経て、令和9年4月からの運用開始が予定されている。学校現場としては、パブリックコメントの段階から施策の実行可能性について意見を出せる機会があることを押さえておく必要がある。
現場視点の一般的な懸念
- 部活動の地域展開は令和13年度までに休日原則全校での実現を目標としているが、令和6年6月時点で地域移行の方針策定済み自治体は29%にとどまっており、多くの教育委員会・学校で移行準備が期限に間に合うか見通しが立たない
- 体育専科教員の配置推進が施策として掲げられているが、具体的な配置数目標や財源措置が示されておらず、教員不足が深刻な地方の教育委員会では実現の道筋が描きにくい
- 子供の体力・運動習慣の指標は第3期計画期間を通じてほとんど改善しておらず、新体力テストC以上の割合は目標(児童80%・生徒85%)に対し実績は児童67%・生徒75%にとどまるなど、学校現場の努力だけでは構造的な改善が難しい状況が続いている
- 学校体育施設の地域共同利用率を71.8%から100%に近づける目標やプールの屋内化推進が示される一方、約4万6千の社会体育施設の老朽化が進む中で、財政的・人員的な裏付けが明確でなく、学校側の管理・調整負担が増す懸念がある
- 障害のある児童生徒の体育授業見学の実態調査は現在分析中であり、現場が今すぐ使える具体的な指導・環境整備の方針がまだ示されていない
現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案
- 国(スポーツ庁・文部科学省)は、部活動地域移行の方針策定が遅れている自治体に対し、令和7年度予算に計上された32億円の重点配分や伴走支援を強化し、教育委員会ごとの移行ロードマップを可視化して進捗管理を支援すべきである
- 教育委員会と大学(教職課程)は、体育専科教員の養成・配置について、地域人材や退職教員等の外部人材活用とのマッチング制度を具体化し、地方の教員不足に対応できる仕組みを整備すべきである
- 国は、子供の体力向上を学校単独の取組に依存させず、アクティブ・チャイルド・プログラム等を活用した家庭・地域を巻き込む施策を、財政支援とセットで自治体に提示すべきである
- 教育委員会・学校は、学校体育施設の共同利用拡大にあたり、地域スポーツ団体との利用調整・安全管理・鍵管理等の役割分担を明文化した運用ルールを策定し、教員の管理負担が一方的に増えないようにすべきである
- 国と教育委員会は、障害のある児童生徒の体育授業見学に関する実態調査結果を早期に公表し、現場が即座に活用できる指導・環境整備の具体的ガイドラインを策定すべきである
※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。
スポーツ推進会議(第11回) 配付資料:スポーツ庁
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/006_index/shiryo/1409138_00013.htm


