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要約
本会議は、前半と後半の2部構成で進められた。
前半:メディアリテラシーについてのヒアリング
3名の委員(今度委員、鈴木委員、山脇委員)がそれぞれの専門的立場から発表した。今度委員はUNESCOや英国のバッキンガムらの枠組みを参照しつつ、メディアリテラシーを民主主義・人権教育の基盤として位置づけ、「権利・判断・参画」の3本柱を提唱した。鈴木委員はジャーナリストの立場から、生成AIによるフェイク動画の急増やファクトチェック認知度の低さを指摘し、技術的スキル・思考力・倫理感の育成を訴えた。山脇委員はクリティカルシンキングに基づく「情報対応スキル」を提唱し、情報モラル教育(保護主義的)からメディアリテラシー教育(子どものエンパワーメント)への転換を主張した。各委員共通して、教科横断的な指導と小中高の系統的カリキュラム構築の必要性を強調した。
後半:中学校情報・技術科(仮称)および高等学校情報科の目標・高次の資質・能力の審議
事務局から以下の提案が示された。中学校では、領域を「情報技術(仮称)」と「情報を基盤とした生産技術(仮称)」に再編し、目標に正負両面を含む多角的視点や「価値の創造」を明記。高校では、情報Ⅰ・Ⅱの目標を情報活用能力の体系に整合させ、「包摂的な社会」の実現や「正負の両面を含め多角的に捉える」視点を追加する方向性が示された。各内容項目に対する高次の資質・能力のイメージ(暫定案)も提示され、委員から多数の意見が出された。
現場視点の一般的な懸念
1. 単元の順序と学習動機の問題 複数の委員(田中・井手・鎌田委員)から、情報技術の内容項目の並び順について懸念が示された。現行案では「計測・制御のプログラミング」が最初に置かれているが、いきなりプログラミングから入ることで、苦手意識を持つ生徒を増やす恐れがある。「情報技術の発展と社会」→「コンテンツとデータ」→「プログラミング」という順序、すなわち社会との関わりから入る構成のほうが、学びの必要性を実感させやすいとの声が上がった。
2. 小中高の系統性・接続の不透明さ 中学で学んだ内容が高校情報Ⅰでどう発展するか、その見通しが現場教員に伝わりにくいという指摘があった。校種をまたいだ指導の一貫性を保つには、接続を明示した整理が不可欠であり、特に小学校の情報の領域(仮称)との連携も含めた体系化が求められる。
3. AIの扱いの不十分さ AIがインフラ化しつつある現状にもかかわらず、提案案ではAIの扱いが情報Ⅱに偏っており、情報Ⅰでの扱いが小さいという懸念が複数の委員から示された。全生徒が履修する情報Ⅰにおいても、AIの基礎概念・倫理・活用を組み込むべきとの声が強く、中学から高校への系統的なAI教育の設計が求められている。
4. メディアリテラシー・クリティカルシンキングの位置づけの曖昧さ 目標文に「正負の両面から多角的に捉える」とある一方で、「クリティカルシンキング」や「メディアリテラシー」という言葉が明示されていない点に複数の委員が違和感を示した。現場教員がこれらの概念を教科の核として認識できるよう、用語や評価観点を含めた明確な位置づけが求められる。
5. 高次の資質・能力の表現と現場への伝わりにくさ 高次の資質・能力のイメージが抽象的・一般的な語句で書かれているため、現場教員が意図を誤解したり、到達水準を低く解釈したりする恐れがあるとの指摘があった。特に「情報デザインとデザイン思考」の項目は、デザイン思考が一つの単元に閉じた概念として受け取られかねず、情報科全体を貫くアプローチとして表現を工夫する必要があるとされた。
6. 「価値の創造」の学習過程への落とし込み 「価値の創造」が目標に明記されたことは評価される一方、現場では課題解決・最適化の授業が中心であり、「何のためにつくるか」という問いを軸にした実践への転換には相当の授業設計の工夫が必要になる。研修や教材支援がなければ、現場での実装は困難との懸念がある。
教育課程部会 情報・技術ワーキンググループ(第5回) 議事録:文部科学省 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/118/gijiroku/mext_00009.html

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