
要約
本資料は、令和8年4月10日に開催された国語ワーキンググループ第8回会議の配付資料であり、主に2つの議題を扱っている。
議題①:国語科におけるICT活用等について
GIGAスクール構想により一人一台端末の整備が進んだ現在、デジタル学習基盤を国語科の学習過程(読むこと・書くこと・話すこと・聞くこと)に効果的に組み込む方向性が示されている。具体的には、デジタル教科書の活用、AIチャットボットを用いた情報収集・考えの深化、AI音声認識による話し合いの振り返りなど、小・中・高の各段階での実践事例が紹介されている。また、小学校2年生からのローマ字入力体験を「書くことの一環」として位置付けることが検討されている。生成AIの活用については、最終的に児童生徒が自ら考え・判断し・自分の言葉で責任を持つという基本方針のもとで進めることが確認されている。
委員発表(中川一史氏・上田祥子氏)では、情報活用プロセス(課題設定→情報収集→整理分析→発信共有→振り返り)に沿ったデジタル活用の実践例や、「ワードハント」「pitchトーク」などのアナログ→デジタル→AIへの段階的展開が紹介された。
議題②:高等学校国語科の現状と課題について
平成30年改訂で導入された必履修2科目体制(「現代の国語」「言語文化」)および選択科目の現状と課題が整理されている。話すこと・書くことの指導に関する教師の意識は改善されたものの、科目の役割整理の不十分さや、4単位科目のみの選択科目構成による履修の偏り(国語表現16%、文学国語49%など)が課題として挙げられている。また、古典への学習意欲が高まらない生徒が依然として多い実態も示されている。
現場視点の一般的な懸念
1.デジタル活用の格差拡大 ICT活用が「使う教員・学校」と「使わない教員・学校」の二極化をもたらしており、地域間・学校間・教師間での格差が広がっている。学習指導要領の記載が不十分であることが現場の取組を均一化できない一因となっている。
2.生成AIへの対応の難しさ 生徒がAIの出力をそのままコピー&ペーストするケースが散見されており、自らの思考を経ない成果物をどのように評価するかが喫緊の課題となっている。AIを「使わせない」か「使わせる」かという二項対立に現場が陥りやすく、適切な活用指針の共有が求められている。
3.小学校低学年へのキーボード入力指導の現実的負担 2年生からのローマ字入力体験の導入が検討されているが、現行の国語の授業時数や、ひらがな・カタカナ習得との兼ね合い、担任教師のICTスキルの差など、実施体制の整備が伴わなければ形骸化するリスクがある。
4.「深い学び」につながらないICT活用 端末を使っていても、文書作成・情報検索・動画視聴などにとどまり、本来の言語能力の育成や「主体的・対話的で深い学び」に結びついていない授業も多いとされている。ツールの使用が目的化しやすく、教師が授業設計の本質を問い直す機会が必要とされている。
5.高校国語科の科目選択の硬直性 選択科目がすべて4単位であるため、教育課程編成上の制約から生徒の選択の幅が狭まり、「国語表現」の履修率が16%にとどまるなど偏りが生じている。実社会で必要なコミュニケーション力の育成が不十分になりかねない点が懸念される。
6.古典教育の意義と生徒の学習意欲の乖離 古文・漢文が大切だと思う生徒の割合は一定数いるものの、好きだという生徒は依然として少なく、言語文化への理解を深めるという科目の趣旨と生徒の実感の間にギャップが続いている。
教育課程部会 国語ワーキンググループ(第8回) 配付資料:文部科学省 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/107/siryo/mext_00008.html

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