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要約
本資料は、令和8年9月3日(木曜日)16時から18時にかけて文部科学省でハイブリッド形式(対面・Web、傍聴はWeb上のみ)で開催された、中央教育審議会大学分科会「教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ」第13回の配付資料一式である。議題は「大学院の評価について」及び「その他」の2件で、配付資料は議事次第(資料0)のほか、本体資料である【資料1】「大学院の評価について」(中央教育審議会大学分科会大学院部会第125回資料3が原型)、同WGがこれまで学部段階を対象に取りまとめてきた「議論のまとめ」概要・本文(参考資料1-1・1-2)、「新たな評価」に関する基礎資料集(参考資料2)、質向上・質保証システム部会(第9回)及び大学分科会(第190回)の主な意見(参考資料3)、大学院関連参考資料集(参考資料4)、認証評価等に関する参考資料集(参考資料5)から構成される。
資料1はまず、令和7年2月21日の中央教育審議会答申「我が国の『知の総和』向上の未来像」を引用し、大学院が「研究者等の養成」「高度専門職業人の養成」「大学教員の養成」「知識基盤社会を支える高度で知的な素養のある人材の育成」という4つの人材育成機能を担うことを確認した上で、18歳人口が減少する中でも大学院進学者・修了者を増やしていくためには、各大学院が最低限の水準を満たしていることに加え、進学希望者が大学のブランドイメージのみによらず適切に進路選択できるよう、優れた教育の取組・成果を明示することが重要だと位置づけている。
その上で、大学院が満たすべき「最低限の水準」を、①教育が適切に行われていること(学位審査・修了認定の適切性=出口の質保証、教育課程編成・実施の適切性=中身の質保証、入学者受入れの適切性=入口の質保証)、②学生や社会に必要な情報を適切に公表・明示していること、③内部質保証システムを適切に構築・機能させていること、の3点に整理し、逆に「満たしていない」状態の具体例(標準修業年限内修了率が同分野平均を大幅に下回る、法令上求められる公表事項が公表されていない等)まで踏み込んで示している。
新たな評価制度の基本的な考え方としては、大学全体としての質保証責任を確認する「大学全体の評価」(①大学組織の社会的信頼、②全学的な内部質保証の手続・体制、③大学の目指すべき方向性に向けた点検・評価と内部質保証、の3事項で判定し、これを満たさない場合は研究科ごとの評価自体を実施しない)と、研究科ごとに「質保証の視点からの定量的・定性的評価」(3つのポリシー〈DP・CP・AP〉の策定公表、適切な学位審査・円滑な学位授与、学生の学びと成長を基盤とした不断の自己改善)及び「質向上の視点からの優れた取組・全体実績の評価」(DPに掲げる資質・能力に係る教育成果、学修・研究環境の向上)を組み合わせる二段構えの枠組みが示された。評価結果は「要是正」「1つ星(★)」「3つ星(★★★)」の3段階の評語で示す方向が案として提示されており、要是正と判定された研究科には文部科学省がペナルティを含めた対応を検討する一方、早期の改善が確認されれば再評価の受審も可能とする方向性が示されている。
資料は続けて、大学院段階でこれまで積み重ねられてきた機関別認証評価・分野別認証評価(専門職大学院等)・現況分析(国立大学法人のみ)・加算プログラム(法科大学院のみ)という4種類の評価の蓄積と成果(法科大学院の適合率が第1サイクルの68%から第4サイクルには97%に向上したことなど)を確認しつつ、評価結果の活用が進まない、機関別評価と分野別評価・国立大学法人評価との重複感・受審負担の大きさ、評価機関間・評価委員間の視点のばらつき、分野の細分化による評価委員確保の困難といった課題も率直に指摘し、「継承する点」(学術・実学双方の観点を含む設計、質保証と質向上双方の観点の維持、既存の分野別認証評価機関の特定分野評価機関としての活用等)と「見直す点」(専門職学位課程も修士・博士課程と同じ枠組みで評価する、機関別・分野別認証評価を一本化して重複を排除する、途中段階での学修成果把握等の項目を簡素化する等)を整理している。なお、法科大学院・教職大学院については、司法試験受験資格との紐づきなど制度的特殊性を踏まえ、その評価の在り方は別途、法科大学院等特別委員会等で検討するとされている。
さらに参考として、法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムにおける基礎指標(司法試験合格率、入学者選抜における競争倍率、入学者数、夜間開講、地域配置等)や現況分析の教育関連項目(標準修業年限内卒業・修了率、退学率、就職率等)を示した上で、「少なくとも『入学者選抜における競争倍率』『入学定員充足率』『標準修業年限修了率』『国家資格取得率』『就職率』は必要か」という論点が投げかけられている。評価書のイメージとしては、研究者養成を主目的とする研究科(国際性の伸長、海外派遣実績、テニュアトラック就任率等を例示)と、高度専門職業人養成を主目的とする研究科(実践力・リーダーシップの伸長、国家資格取得率の推移、修了後の給与水準等を例示)のそれぞれについて、ルーブリックによる自己評価の変化や個別事例・全体実績を組み合わせた記載イメージが具体的に示されている。
現場視点の一般的な懸念
- 評価負担の実質的な軽減が見通せない:機関別・分野別認証評価の一本化や重複排除、簡素化の方向性が「見直す点」として掲げられている一方、資料が示す評価の枠組みは、大学全体の評価に加え研究科ごとに質保証・質向上の両視点から詳細な自己点検評価書とエビデンス(ルーブリック結果、追跡調査データ、修了者の所属先評価等)を整備する必要があり、特に複数の研究科を持つ総合大学では、研究科単位での資料作成・データ収集の総量がむしろ増加する可能性がある。「精選・簡素化」「負担軽減を図る」という記述は随所にあるが、具体的にどの程度の負担軽減が実現するのかは、この段階の資料からは判断しにくい。
- 「要是正」認定とペナルティの具体像が未確定なまま制度設計が先行しかねない:研究科ごとの段階別評価で「要是正」と判定された場合、「文部科学省においてペナルティを含めたその後の対応を実施することを検討」とされているが、ペナルティの内容・程度、公表の範囲、当該研究科の学生募集や在学生への影響については何も具体化されていない。研究科の存続や社会的評価に直結しうる重い判定であるにもかかわらず、制度の根幹部分が「検討」にとどまったまま評価の実施イメージだけが先行すれば、大学現場は準備のしようがない。
- 定量指標の例示が一人歩きし、指標そのものが目的化するリスク:司法試験合格率や競争倍率、入学定員充足率、標準修業年限修了率、就職率といった分かりやすい定量指標が「参考となる指標例」として列挙され、「少なくとも…は必要か」という問いかけまでなされている。これらは法科大学院の加算プログラムという特殊な文脈由来の指標であり、多様な人材育成機能を持つ大学院全体に安易に一般化されれば、研究科が本来担うべき多様な教育活動が、公表しやすい数値の改善競争に矮小化されかねない。
- 評価書イメージが前提とする「見える化」のための体制整備は研究科任せ:質向上の視点からの評価書イメージでは、ルーブリックによる入学時・修了時の自己評価比較、修了者の追跡調査、RA雇用実績や国際学会参加支援の定量把握など、相当に精緻なデータの継続的収集・分析が前提とされている。しかし、こうしたデータ基盤(ルーブリックの設計、修了者との継続的な連絡体制、アンケート実施体制等)を誰が構築し、その体制整備コストを誰が負担するのかについては、資料内に具体的な言及がない。教員数・事務体制に余裕のある大規模研究科と、そうでない小規模・地方の研究科との間で、同じ評価軸で比較されること自体の妥当性も問われうる。
- 研究者養成系・専門職業人養成系という二分では捉えきれない研究科への配慮が見えにくい:評価書イメージは研究者養成型と高度専門職業人養成型の2パターンで例示されているが、実際の大学院には人文社会科学系など進路が多様で「活躍」の定義が一様でない研究科や、両方の性格を併せ持つ研究科も多い。DPに掲げる資質・能力の「伸長」や「活躍」をどのように可視化するかについて、この2類型に当てはまりにくい研究科がどう評価されるのかは明確でない。
- 専門職大学院分野間での取扱いの整合性:法科大学院・教職大学院については学位分野としての独立性や司法試験との紐づき等を理由に別途検討とされているが、それ以外の専門職大学院(ビジネス、公衆衛生等)が新たな評価の枠組みにどう組み込まれるのか、分野別認証評価機関が担ってきた専門性の高い評価機能が新制度でどこまで維持されるのかについて、現時点では評価機関側・大学側双方に不透明感が残る。
現場視点の一般的な懸念を踏まえた改善提案
- 負担軽減効果を検証可能な形で先に定義する:評価制度の本格実施に先立ち、現行の機関別・分野別認証評価・現況分析等それぞれについて大学が投じている受審コスト(人員工数、外部委託費等)の実態調査を行い、新制度移行後にどの程度の削減が見込まれるかを数値目標として示した上で、モデル大学での試行を通じて実際の負担増減を検証する仕組みを組み込むべきである。
- 「要是正」判定後の対応を制度設計段階で具体化し、事前に周知する:ペナルティの内容(改善計画の提出義務、補助金への影響の有無、公表の範囲等)と、再評価受審に至るまでの標準的なプロセス・期間の目安を、評価制度の本格運用開始前に大学側へ明示し、判定を受けた研究科が学生募集停止等の重大な経営判断を迫られる前に、猶予期間と支援策(改善のための伴走支援等)をセットで用意することが望ましい。
- 定量指標は「参考」にとどめ、法科大学院固有の指標をそのまま一般化しない:司法試験合格率等の指標は法科大学院という国家資格と直結した特殊な制度文脈に由来するものであることを明確にし、他分野の研究科評価においては、当該研究科が自ら掲げるDPに即した多様な指標(進路の多様性、研究成果の質、社会実装実績等)を優先する原則を制度上明記することで、数値競争への矮小化を防ぐべきである。
- データ基盤整備への財政的・技術的支援を制度化する:ルーブリック設計や修了者追跡調査等、質向上評価に必要なデータ基盤の構築・運用について、国立大学法人運営費交付金や私学助成等における支援メニューを用意するとともに、研究科規模によらず活用できる共通の調査票・追跡調査プラットフォームを国レベルで整備し、小規模・地方の研究科の負担を軽減する。
- 研究者養成型・専門職業人養成型に当てはまらない研究科向けの評価書イメージの追加提示:人文社会科学系をはじめとする進路多様型の研究科について、教育成果や活躍の可視化に関する追加的な記載イメージ・好事例を今後の検討過程で示し、既存2類型に収まらない研究科が不利にならないよう配慮する。
- 専門職大学院分野ごとの移行方針の早期整理:法科大学院・教職大学院以外の専門職大学院分野についても、既存の分野別認証評価機関が新制度下でどのような役割・位置づけを担うのか(特定分野評価機関としての継続可否、評価項目の追加可否等)を早期に整理し、評価機関・大学双方が準備期間を十分に確保できるよう、分野ごとのロードマップを示すことが求められる。
※この文章はAIで作成されています。あくまで参考としてお読み取りいただき、事実関係、内容の妥当性の確認はリンク先の原典を当たるなど各自の判断でお願いします。
教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ(第13回) 配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/056/giji_list/mext_00006.html


